大手DC事業者が自社プライベートクラウドに「Steelhead」を活用。強力なキャッシュ機能とデータ圧縮によるWAN高速化でクラウド特有のトラフィック集中を回避し業務遅延を解消。

富士通エフ・アイ・ピー株式会社
  • 社内クラウド化で発生したトラフィック集中をWAN高速化で解消
  • キャッシュ機能と重複排除でWAN側へのトラフィックを73%削減
  • WAN回線の増強を回避することで約80%の固定費を削減
導入製品
 SteelHead
目次

  1. 1.情報インフラを集約するクラウド化によりトラフィックが集中し回線がボトルネックに
  2. 2.WAN高速化ツールを活用しDC周辺のトラフィック量を削減
  3. 3.選択の決め手は「圧倒的なキャッシュ能力」
  4. 4.キャッシュ機能と重複排除のデータ圧縮でWAN側のトラフィックを73%も削減
  5. 5.自社で選択したソリューションの効果をリファレンスモデルとして顧客に提案

情報インフラを集約するクラウド化によりトラフィックが集中し回線がボトルネックに

「アウトソーシング」、「クラウド」、「ソリューション」の3つのサービス分野で企業や自治体のICT環境をサポートするビジネスを展開する富士通エフ・アイ・ピー株式会社(以下、富士通FIP)は、その長い歴史で培われたノウハウを応用して、2011年に社内にインフラ整備としてプライベートクラウドを構築。自社内に分散した情報システムの集約に着手した。その背景について、リファレンスモデル化推進室長代理兼 経営情報システム部長であり、プロジェクトを統括した小池 克彦氏は次のように説明する。

「当時は、本社を含めた事業所・データセンター合わせて27拠点存在し、それぞれにファイルサーバーやWebサーバーなどをLAN上に設置して運用していたため、管理負担と運用コストが日々増大していました。そこで、プライベートクラウドを構築し、横浜港北データセンター(DC)に各拠点のサーバー類を全て集約して運用することで問題解決をしようと試みました」

ところが、各拠点からWAN越しに横浜港北DCへのアクセスが集中したことで、80Mbpsを超えるトラフィックが頻繁に発生するようになり、社内クラウドとインターネットの両環境のアクセススピードが著しく低下。各拠点から業務に支障が出るという苦情が頻繁に寄せられるようになったという。

WAN高速化ツールを活用しDC周辺のトラフィック量を削減

そこで、同社は、解決のために2つの対応策を立てた。その1つが、ネットワーク回線の見直しだ。富士通FIPでは、イーサネットによるビジネス専用線を活用していたが、KDDI認定DCのみが利用できるトラフィックフリー機能(DC向け通信を物理帯域上限の100Mbpsに拡張する機能)を活用し、アクセス速度の向上と回線コストの削減を実現した。

それからもう1つが、横浜港北DCエリアにおけるネットワークトラフィックへの対策である。「トラフィックのボトルネック解決においては、1) 回線速度の増速、2) 帯域制御装置の導入、3) WAN高速化ツールの活用の3つの案を検討し、それぞれの有効性を分析しました」と小池氏は説明する。

第1案の回線増速は拡張した帯域だけは解消するが、WAN経由の遅延を解決できる保証はない。第2案の帯域制限制御装置は選択したサービスのボトルネックは多少解決するものの、サービスによっては悪化するものもある。

小池氏が最も注目したのは、第3案のWAN高速化ツールの活用だった。容量が少なく遅延の大きなWAN回線の弱点を補うため、同じデータを何度も送受信しなくて済むようにキャッシュに過去のデータを保持したり、通信プロトコルの非効率を最適化したりする技術を用いて、WAN回線でのスムーズな通信を可能にするのが特徴だ。

選択の決め手は「圧倒的なキャッシュ機能」

富士通FIPは、2011年9月からWAN高速化ツールに絞って調査を開始。2012年4月~6月に、ソフトウェア版/ハードウェア版を取り混ぜた複数の製品の検証を行った結果、ソリトンシステムズが提案したRiverbedのWAN高速化アプライアンス「Steelhead」の検証結果が最も優れていると結論付け、正式に採用を決定した。

Steelheadの機能が他社よりも顕著に優れていた点として「圧倒的なキャッシュ機能の高さ」を指摘するのは、経営情報システム部 基盤技術スペシャリストの森 直之氏だ。

「Steelheadでは、拠点間を流れるデータを独自のアルゴリズムで効果的にキャッシュし、過去に送信されたデータが存在することで無駄な通信が抑制されます。また、データも圧縮されるためWANを流れるトラフィックが劇的に削減され、LANと同等レベルの応答速度が得られるようになりました」

偶然にも検証中にプリンタの全社入れ替えによるドライバ配付が開始されたが、本社の1000人が一斉にダウンロードしても最初の1人がダウンロードしたデータをキャッシュしたことで、残りの999人はLAN上でダウンロードが可能となり、WANに流れるデータの99%以上を削減。

「本来ならばネットワークが非常に重くなりますが、今回はネットワークの遅延は少しも発生せず、業務に全く影響を及ぼしませんでした」と森氏は振り返る。

キャッシュ機能と重複排除のデータ圧縮でWAN側のトラフィックを73%も削減

2012年7月、Steelheadはインフラが集約されている横浜港DCと、通信量の大半を占める本社、提案資料などを多く扱う主要営業拠点の3箇所に設置され、本格的に稼働を開始した。今後、対象拠点を順次増やしていく計画だという。

「SteelheadはWANルータとLANスイッチの間にそのまま設置できるのが他にない特徴で、ネットワーク構成を大幅に変更したり拡張したりする必要はなく、安全に導入が可能なのも大きなメリットといえるでしょう」(森氏)

稼働開始から1年以上経過した時点でSteelheadの効果を検証したところ、キャッシュ機能と重複排除によるデータ圧縮効果で、LAN側に平均100Mbps、最大で500Mbpsのトラフィックが発生しても、WAN側へのトラフィックを73%削減することが確認された(図-1)。他にも、メール受信で89%、Webアクセスで91%、ファイル共有で85%が削減されるなど、非常に高い効果が得られているという。

「当初は、WAN回線を現状の倍の200Mbpsにまで増強する予定でしたが、SteelheadによるWAN高速化が確認できたためその増強は見送り、その分の投資は不要になりました」と打ち明ける森氏。

仮に、LANのピーク値(500Mbps)に合わせてWANの回線契約を行ったケースと、Steelheadを導入した場合のコストを比較すると、5年間で約80%の固定費が削減できる計算だという。

自社で選択したソリューションの効果をリファレンスモデルとして顧客に提供

社内実践の結果、Steelheadが非常に有効であることが確認できたという小池氏は、今回のプロジェクトを振り返り次のように語る。

「プライベートクラウド化によるトラフィックの集中と回線のボトルネックは多くの企業で課題となっていますが、Steelheadによる強力なWAN高速化が実現できたことは、ネットワークとコンピュータのリファレンスモデルを作る立場として、お客様にも積極的にアピールできる貴重な情報を得られたと思っています」

そして、ソリトンシステムズの情報収集力を高く評価している小池氏は、「これからも世界の最先端技術をたくさん紹介していただけることを楽しみにしています」と語り、両者における今以上の関係強化を期待している。

お忙しい中、有り難うございました。

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