サイバー攻撃の高度化やリモートワークの普及により、従来の境界防御を前提としたセキュリティ対策では、十分な対応が難しくなっています。こうした背景から、現在注目されているのが、「すべてのアクセスを信頼しない」という考え方に基づく「ゼロトラスト」モデルです。
ゼロトラストを導入するには、多岐にわたるセキュリティ要素を組み合わせていく必要があります。代表的な技術としては、多要素認証(MFA)や動的なポリシー設定、アクセスのリアルタイム監視、ネットワークの分離などが挙げられます。しかし、これらすべての要素を一度に満たす防御環境を構築することは容易ではありません。技術的な複雑さに加え、既存システムとの整合性を同時に確保することは、現実的に大きな負担となります。そのため、ゼロトラストに必要な要素を整理したうえで、計画的かつ段階的に実装していくことが重要です。第一歩としては、データやシステムへの入口となる認証環境の統合から着手すると、効率的に進めやすくなります。
認証環境の強化においては、多要素認証の導入が有効です。多要素認証にはさまざまなソリューションがありますが、その中でもソリトンシステムズの「Soliton OneGate」は、デジタル証明書を用いた多要素認証により、複数のクラウド環境に対応しながら、情報資産へのアクセスを一元的に管理できます。ユーザーとデバイスの組み合わせでアクセスを制御することで、なりすましを防ぎ、信頼できるアクセス元のみを許可します。こうした柔軟な認証の仕組みにより、ゼロトラスト環境の構築を着実に進めることが可能です。
ゼロトラスト導入における最初の取り組みとして、Soliton OneGateを活用した多要素認証の導入準備から検討してみてはいかがでしょうか。
Soliton OneGateについては、以下の公式サイトで紹介していますので、ぜひご覧ください。
2024年5月、営業チームで利用していたSaaS型のファイル共有サービスにおいて、不正アクセスが発生しました。攻撃者はフィッシングメールを通じてSaaS利用者のIDとパスワードを取得し、システムへ侵入しました。当該システムでは、ユーザーやデバイスに対するセキュリティポリシーが適用されておらず、外部PCからの通信を遮断できなかったため、契約データや顧客情報が不正にダウンロードされる事態となりました。
このような被害を防ぐためには、IDとパスワードによる認証だけでなく、ユーザーやデバイスなど、アクセスに関わる要素を総合的に検証する必要があります。多要素認証に加え、不適切なデバイスからの接続を即時に遮断できる動的ポリシーを適用するなど、ゼロトラストモデルに基づいた対策を徹底することで、被害リスクを大幅に低減できます。
実際にゼロトラストの考え方を取り入れ、同様のリスクに備えて事前に対策を講じた事例を紹介します。
東海旅客鉄道株式会社様では、建設や施設保守部門において、土木・建築工事を担う協力会社との間で大量のデータをやり取りしています。業務効率化を目的にSaaS型の工事情報共有サービスを採用する一方で、情報セキュリティの観点から、以下の要件を満たす仕組みとして「Soliton OneGate」を導入しました。
・漏洩リスクの高いID・パスワードに依存しない多要素認証が可能であること
・業務内容に応じて端末を柔軟に選定できること
・私用端末などの不適切なデバイスからのアクセスを遮断できること
・利用者にとって使いやすい認証の仕組みであること
Soliton OneGateは、同社が求める厳格なセキュリティ要件を満たしており、試行段階やシステムベンダーとの認証連携においても、十分なサポートを受けられる点が評価されました。
また、利用者のパスワード管理が不要であることに加え、誰が、いつ、どのデバイスからアクセスしたのかを把握しやすいため、「ログインできない」といった問い合わせに対しても迅速に原因を特定できます。IT専門部署でなくとも、無理なく安心して運用できている点も特徴です。
同社では、Soliton OneGateによって強固なセキュリティを確保したうえで、クラウドサービスとモバイル端末を活用する仕組みを他業務にも展開し、DX推進につなげています。
ここに紹介した「Soliton OneGate」の導入事例については、「導入事例 東海旅客鉄道株式会社」にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
ゼロトラストは、境界防御型セキュリティが抱えてきた課題を補完・克服するためのセキュリティモデルです。「すべてのアクセスを無条件に信頼しない」という原則のもと、ネットワークの内外を問わず、アクセス認証と通信保護を行います。クラウドサービスの業務利用拡大やリモートワークの定着、さらにはサイバー攻撃の高度化といった環境変化が、ゼロトラストの必要性を一層高めています。
ゼロトラストは、基本原則を踏まえたうえで、多層防御を組み合わせながら段階的に実現していく考え方です。一方で、導入や運用にあたっては、初期コストや運用コストの増大、専門的な技術理解が求められるといった課題も存在します。そのため、全体像を見据えた導入計画を立て、無理のない形で取り組むことが重要です。自社だけですべてをまかなうことが難しいケースも少なくありません。
こうした場合には、ゼロトラストの実現を支援するパートナー企業のソリューションを活用することも有効な選択肢となります。
ソリトンシステムズが提供する「Soliton OneGate」は、許可されたデバイスと利用者本人の組み合わせによるアクセス制御や、クラウドサービスを不正アクセスから守る多要素認証を実現します。ゼロトラスト導入を検討している企業にとって、認証基盤の整備は重要な第一歩です。導入検討の初期段階から相談できる体制も整えていますので、ゼロトラストへの取り組みを検討されている場合は、ぜひ活用を検討してみてください。