テレワークやクラウドサービスが一般化した現在、企業ネットワークの在り方はかつてないほど多様化しています。ひとりの従業員が、ノートPC・スマートフォン・タブレットなど複数の端末を状況に応じて使い分けることは、もはや特別なことではありません。さらに、利用場所もオフィスに限らず、自宅や出張先など、あらゆる環境から安全かつ快適に業務を行えることが前提となっています。
一方で、ネットワークに接続される端末の種類や台数が増えれば増えるほど、IPアドレス管理は急速に複雑になります。新しい拠点の開設や、プリンター、複合機、無線アクセスポイントといった機器の追加が重なることで、アドレスの重複や設定ミス、管理漏れが発生しやすくなります。その結果、担当者の負担が増大し、ネットワーク全体の安定性や可用性に影響が及ぶケースも少なくありません。
こうした課題を解決する仕組みが、「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)」です。DHCPは、ネットワークに接続された端末に対して、IPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど、通信に必要な情報を自動的に割り当てます。管理者が端末ごとに手作業で設定する必要がなくなり、日常的な運用負担や設定ミスによるトラブルを大幅に低減できます。PCやスマートフォン、タブレットといった多様な端末が同時に接続される環境でも、安定したネットワーク利用を実現できる点が特長です。
しかし、企業ネットワークの規模拡大や無線LANの普及、マルチデバイス利用の進展に伴い、DHCPの運用にも新たな課題が浮かび上がっています。たとえば、DHCPサーバーが停止すると、新しい端末がネットワークに接続できず、業務全体が停止してしまうリスクがあります。また、不正な機器がIPアドレスを配布する「なりすましDHCPサーバー」によるトラブルも現実に起こり得ます。さらに、ルーターや汎用サーバーに付属する簡易的なDHCP機能では、数百〜数千台規模の端末や基幹業務を支えるネットワークでは性能や管理面で限界があります。環境や用途に応じて、適切な仕組みと対策を検討することが不可欠です。
こうしたDHCP運用の負担や、ネットワーク安定性に関する課題を解消する有力な選択肢のひとつが、専用アプライアンスの導入です。その代表例が、ソリトンシステムズのDHCPサーバー「NetAttest D3」です。NetAttest D3は、IPアドレスの高速な払い出し性能に加え、冗長構成やセキュリティ対策、管理のしやすさを高い水準で兼ね備えています。特に、「止められない」ことが前提となる企業ネットワークにおいて、安定運用を支える基盤として有効です。
「NetAttest D3」の具体的な機能などについては、以下公式サイトをぜひご覧ください。
学校法人東北学院様では、教育・研究・学習・事務処理を支える総合ネットワークシステムと、PC教室などの学内IT学習環境を運用しています。約1万5千名の学生と職員が日常的に利用する大規模ネットワークであり、機器選定から運用までを学内で担い、「自分たちが使いたい、使えるものを選ぶ」という方針のもと主体的に管理されてきました。
従来、この環境ではDHCPの設定をCLI(コマンドラインインターフェース)で行う必要があり、操作に習熟した特定の担当者に依存せざるを得ませんでした。ネットワーク規模の拡大に伴い、この属人化は運用負担を増やし、障害発生時の対応や引き継ぎの難しさにつながっていました。また、DNSについてもオープンソースソフトウェアを用いて運用していたため、脆弱性対応に時間を要するなど、周辺業務の負荷となっていました。
こうした課題に対し、問題が顕在化する前の段階で対応された事例として、東北学院様の取り組みをご紹介します。
2019年のシステム更新に際し、東北学院様はDHCPとDNSの両機能を備えたアプライアンス「NetAttest D3」を導入しました。とりわけDHCPについては、GUIベースでの設定・運用が可能になったことでCLIへの依存が解消され、複数の担当者が扱える環境が整いました。その結果、属人化の解消とともに、日常運用の負担も大幅に軽減されています。
DNS運用における脆弱性対応の負担も軽減され、システム全体のメンテナンス性が向上しました。さらにNetAttest D3は、高い処理性能と冗長構成への対応力を備えており、将来的な拡張にも柔軟に対応できる点が評価されています。コスト面においても、冗長構成を前提としながら導入しやすい点が、大きなメリットとなっています。
2023年4月、五橋キャンパス開学に合わせたシステム刷新においてもNetAttest D3が採用され、安定したDHCP運用が継続されています。東北学院様は、ソリトン製品全体について、以下の点を高く評価しています。
これらの特長により、東北学院様は大規模ネットワークにおけるDHCP運用の属人化や負担増といった課題を解消し、安定した学内ネットワーク基盤を維持しています。
ここに紹介した学校法人東北学院様のNetAttest D3導入事例については、 「導入事例 学校法人 東北学院」 にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
DHCPは、ネットワークを円滑に運用するための「縁の下の力持ち」ともいえる存在です。固定IPアドレスを一つひとつ手作業で割り当てていた時代から、端末数の急増や利用形態の多様化に伴い、自動化と効率化が強く求められるようになりました。その流れの中で、DHCPは現実的な解決策として広く普及してきました。
現在では、オフィスや学校に限らず、家庭用ルーターや公共Wi-Fi、工場や医療現場の設備に至るまで、さまざまな環境でDHCPが利用されています。私たちがノートPCやスマートフォンを接続し、すぐに仕事や学習を始められるのも、裏側でDHCPが確実に機能しているからです。
一方で、ネットワーク規模の拡大や拠点分散、リモートワークやIoT機器の増加により、DHCP運用には新たな課題も生まれています。単にIPアドレスを自動で割り当てるだけでは不十分であり、冗長化や分散配置、統合管理、さらにはセキュリティ対策まで含めた包括的な設計が欠かせません。属人的な管理を続けていると、障害発生時の復旧遅延やセキュリティインシデントのリスクが高まり、業務全体に影響を及ぼす可能性があります。
こうした課題に対応する手段のひとつが、専用アプライアンスの導入です。ソリトンシステムズの「NetAttest D3」は、DHCPとDNSの両機能を備え、高い可用性やセキュリティ、運用管理性を実現するアプライアンスです。シンプルで扱いやすい設計と拡張性を兼ね備え、日常の運用負荷を軽減しながら、「止められない」ネットワークを力強く支えます。
もし現在のネットワーク運用に不安を感じている、あるいは属人的な作業からの脱却を図りたいと考えているのであれば、DHCPの仕組みや運用体制を見直す良いタイミングかもしれません。自社の環境に合った仕組みを選び、将来の拡張や安全性を見据えた運用を整えることで、安心して利用できるネットワーク基盤を構築できるはずです。