ランサムウェアは、企業のデータと業務の継続性を同時に脅かす、極めて深刻なサイバー脅威です。とくに近年増えているのが、いわゆる「侵入型ランサムウェア」です。これは、単に不正プログラムが端末に入り込む(感染する)だけでなく、VPNやRDPなどのリモートアクセス経路や認証情報の不備を足がかりに、攻撃者が組織内へ侵入し、権限昇格や横展開を進めたうえで被害を引き起こす攻撃手法を指します。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2024」でも、ランサムウェアによる被害は2016年以降9年連続で組織向け脅威の1位に挙げられており、その影響は年々深刻さを増しています。
攻撃者は、企業の機密データや業務システムを暗号化して使用不能にし、復旧と引き換えに身代金を要求します。その結果、経済的損失だけでなく、業務停止や取引先・顧客からの信用低下など、企業活動全体に大きな影響を及ぼします。
事実、ランサムウェア被害では、復旧対応(調査・復旧作業・業務停止の影響など)に多額のコストが発生しやすいことが指摘されています。さらに、身代金を要求されるケースもあり、結果として想定を超える損失につながることがあります。
こうした状況において重要なのは、感染を防ぐための対策と、万が一感染した場合でも業務を止めないための備えを両立させることです。具体的には、不正アクセスを防ぐためのアクセス管理と、被害発生後に迅速な復旧を可能にするデータ保護・バックアップ体制の構築が欠かせません。
その実現手段の一例として、本ページではソリトンシステムズの「Soliton OneGate」と「VVAULT」を紹介します。Soliton OneGateは、オンプレミス環境やクラウドサービスなど、企業が利用するさまざまなシステムへのアクセスを多要素認証により適切に制御します。一方、VVAULTは、複数のストレージを仮想ドライブとして統合管理し、ランサムウェア被害時にも過去の状態へ迅速に復旧できる仕組みを提供します。
これらを組み合わせることで、ランサムウェア攻撃の侵入リスクを低減すると同時に、被害発生後の影響を最小限に抑えるセキュリティ基盤の構築が可能になります。本コラムでは、この考え方を軸に、ランサムウェアの仕組みや感染経路、具体的な対策について順を追って解説していきます。
「Soliton OneGate」と「VVAULT」についての具体的な機能や導入事例を詳しく知りたい方は、以下公式サイトをぜひご覧ください。
国内で食品製造業を営む企業がランサムウェアに感染し、財務会計システムが暗号化されました。システムは操作不能となり、日常業務に大きな支障が生じました。
同社では定期的なバックアップを実施していましたが、バージョン管理が不十分であったため、最新の財務データを復元できない状況に陥りました。その結果、決算報告書の提出が大幅に遅延したほか、金融機関による融資審査にも影響を及ぼしました。さらに、失われたデータを再入力するための人件費や、業務遅延による取引先・顧客からの信頼低下など、複合的な損失が発生しています。
この事例は、バックアップを取得しているだけでは不十分であり、過去の状態へ確実に戻せるバージョン管理を含めたデータ管理体制が不可欠であることを示しています。ランサムウェア対策では、侵入を防ぐ施策とあわせて、感染後の業務継続を見据えた備えを整える必要があります。
実際に対策を強化したお客様の事例をご紹介します。
トヨタ部品北海道共販株式会社様では、膨大な種類のカタログを電子カタログとしてデータ管理しており、そのデータ量は年々増加していました。容量削減のために古いデータを削除せざるを得ない状況や、ファイルサーバー・NASの老朽化といった課題を背景に、2018年ごろからシステムのリプレースを検討していました。
新たなファイルサーバーに求めたのは、拡張性と既存データの容易な移行に加え、セキュリティおよびコンプライアンスを強化できる仕組みです。これらの要件を満たし、ランサムウェア対策にも有効であることから、ソリトンシステムズの「VVAULT」を導入しました。
VVAULTは、既存のファイルサーバーやNASをストレージ仮想化機能で統合管理できるため、将来的な拡張にも柔軟に対応できます。また、詳細なアクセスログ管理によりコンプライアンス要件を満たすとともに、保存されたファイルを過去の任意の時点まで巻き戻せる「タイムマシーン機能」により、万が一ランサムウェア被害が発生した場合でも、迅速な復旧が可能になります。
同社では2019年秋ごろからデータ移行を進め、本社に設置したVVAULTファイルサーバーを冗長構成とすることで、リアルタイムでのデータ保護と筐体間バックアップを実現しました。その結果、従来の夜間に行う日次バックアップと比べて、データ損失リスクやダウンタイムを大幅に削減しています。
ここに紹介した「VVAULT」の導入事例については、「導入事例 トヨタ部品北海道共販株式会社」にて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
ランサムウェアは、企業や公共機関に限らず、個人の生活にも深刻な影響を及ぼすサイバー攻撃です。その被害は、データの暗号化にとどまらず、業務停止や情報漏えい、法的責任の発生、さらには社会的信用の失墜など、多方面に広がります。国内外で被害が相次ぐなか、国内においてもランサムウェアは組織向けサイバー脅威の中で最も深刻な存在として位置づけられています。
VPN機器やRDPの脆弱性が主要な感染経路となる一方で、フィッシングメールや不正なダウンロードを起点とした感染も後を絶ちません。加えて、「二重恐喝」や「ノーウェアランサム」といった新たな手口も登場し、攻撃は年々巧妙化しています。このような状況では、侵入を防ぐための対策と、万が一感染した場合に備えた復旧体制を両立させた、包括的なセキュリティ対策が求められます。
ソリトンシステムズの「Soliton OneGate」と「VVAULT」は、こうした課題に対応するソリューションです。Soliton OneGateは、不正アクセスや外部からの侵入を抑止し、安全なリモートアクセス環境を支えます。一方、VVAULTは、大容量の仮想ストレージを柔軟に構築・管理できるだけでなく、ランサムウェア攻撃への備えとして、データのバージョン管理や迅速な復旧を可能にします。
ランサムウェア対策をあらためて見直し、企業のデータや業務、そして信頼を守るためのセキュリティ基盤を整えることが重要です。その検討にあたっては、ソリトンシステムズのソリューションも選択肢のひとつとしてご検討ください。