導入事例

舞鶴市教育委員会

25校・6,000台を支える学習ネットワーク
5年間トラブルゼロの実績が教育現場の安心を支える

舞鶴市教育委員会
  • 電子証明書認証で、パスワード不要の安全かつシンプルなアクセス環境を実現
  • 最大約6,000台に上る端末の同時接続でも安定稼働。導入から5年間トラブルゼロ
  • 既存設定を容易に引き継ぎ、無停止でスムーズに後継機へ移行

舞鶴市教育委員会 様 イメージ図

教育現場を支える安定ネットワークを構築

 京都府の舞鶴市教育委員会では2020年、GIGAスクール構想に伴い小中学校25校に学習系ネットワークを整備しました。1人1台端末の利用が広がる中、授業での安定したネットワーク通信は学びの質を左右する重要な基盤です。最大で約6,000台の端末がネットワークに同時接続する環境を支える中核として採用されたのが、ソリトンシステムズのNetAttestシリーズでした。

 舞鶴市役所 教育振興部 学校教育課 主査 小野 祐矢氏は「多くの授業でクラウドサービスや学習支援ソフトを利用しています。さらに教員PCやプリンターも接続されているため大規模アクセスになりますが、NetAttestシリーズは導入から5年間安定して稼働しています。授業が中断するようなトラブルはありませんでした」と話します。

安全・快適、未来を見据えたネットワーク設計

 2020年のネットワーク導入当時、校務系ネットワークは市役所のイントラネットを利用していたため、学校でのトラブルが庁内全体に波及するリスクがありました。そこで、学習系ネットワークの構築にあたり、教育活動に最適化した基盤を整備しました。児童生徒と教員がストレスなく安全に校内ネットワークを利用できる環境を確保するとともに、数年先の学びにも対応できる、未来を見据えたネットワークの構築を目指しました。また、校務支援システムをはじめとするクラウド活用や端末増加といった変化にも対応できる設計としました。

 学習系ネットワークの中核を担うのは、電子証明書により強固なアクセス認証を実現する「NetAttest EPS」(以下、EPS)と、DHCP専用サーバーとして快適なネットワークを支える「NetAttest D3」(以下、D3)です。EPSはデータセンターに冗長構成で設置し、認証の安定性と耐久性を確保しました。また、D3も各校に冗長構成で設置することで、安定したIPアドレスの割り当てを可能にしました。このようにネットワーク基盤全体を冗長化することで、障害が発生しても影響を最小限に抑え、常に安定した学習環境を維持できる体制を整えています。

パスワード不要で安心、電子証明書による認証

 さまざまな認証方式の中から電子証明書認証を選択した理由について、小野氏は次のように述べます。

「児童生徒の場合、パスワードなど人に依存するセキュリティでは、いつか必ずインシデントが発生するリスクがあります。しかし電子証明書であれば、本人は認証を意識することなく接続できます。また、来校者による不正な接続も防げます」

 電子証明書の採用は、2022年に実施した学習系と校務系ネットワークの統合の際にも効果を発揮しました。物理ネットワークは統合しつつ、児童生徒と教員で電子証明書を分け、さらにSSIDを分けることで物理分離を実現し、ゼロトラスト・セキュリティを実現しました。これにより、SSIDごとにセキュリティ設定が可能となり、ネットワーク統合下での安全性と利便性の両立が可能になりました。

 小野氏は「ネットワーク統合により約1,000台が新たに加わりましたが、特に問題なく対応できました。現在も余裕を持った運用ができており、学校現場からは『市役所のイントラネットを利用していた時と比べ、はるかに通信が快適になった』と高い評価をいただいています」と強調します。

停電時でも止まらない、運用負荷を軽減

 各端末にIPアドレスを割り当てる際、汎用サーバーにDHCP機能を持たせる方式では、構築や管理に手間がかかるだけではなく、停電時の対応にも人手が必要でした。停電時に電源を落とし、復電後に一斉に電源を立ち上げる作業は大きな手間とリスクを伴います。「以前は停電のたびに業務が止まるのではと不安があり、常にプレッシャーがありました。しかしD3は専用アプライアンスのため、通電すれば自動的に稼働が復帰します。UPSも不要になり、25校すべての運用負荷を大幅に削減できました」と小野氏は振り返ります。

 この特徴は、限られた人員で多くの学校を支える教育委員会にとって、大きな安心材料となっています。特に広範囲に分散する各学校にICT人材を配置するのが難しい状況では、シンプルで安定した仕組みが不可欠です。

実績に裏打ちされたスムーズなリプレース

 これまでの取り組みにより、舞鶴市のネットワークは導入以来5年間、ネットワークに起因するトラブルは一度もなく安定稼働し続けてきました。

 2025年のリプレース時、その実績と安心感が高く評価され、EPSとD3の後継機へスムーズに移行しました。既存設定を引き継ぐ仕組みがあったため、授業や校務を止めることなくネットワークを更新できました。

「稼働中のネットワーク環境を止めることなく更新できたのは大きな安心でした。過去5年の安定稼働があったからこそ、迷うことなく後継機を選択できました」と小野氏は語ります。

教員の負担を減らし、教育に集中できる環境へ

 舞鶴市では、教員が複数のシステムでアカウント管理を担う場面がありましたが、教員の本分はあくまでも教育です。学習活動の質を高めるためには、現場でのアカウント運用はできるだけ簡素化されている必要があります。

 今後の展開について、小野氏は次のように述べました。

「シングルサインオン(SSO)や多要素認証を導入すれば、教員はアカウント管理の手間から解放され、教育に専念できます。『Soliton OneGate』のような仕組みがその一例です。ICT人材が不足している現状では、誰でも扱える“わかりやすさ”が非常に重要になります。その点でソリトンのソリューションには今後も期待しています」

お忙しい中、有り難うございました。

※本ページの内容は、2025年10月作成時の情報に基づいています。

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