エグゼクティブフォーラム アーカイブ映像&資料ダウンロード
ソリトンエグゼクティブフォーラム2023にお申込みいただき誠にありがとうございます。
「国家安全保障とサイバーセキュリティ」というテーマで、自由民主党安全保障調査会幹事長 木原稔衆議院議員に基調講演をいただきました。その後、北村滋元国家安全保障局長・北村エコノミックセキュリティ代表に「国家安全保障とインテリジェンス」という題で、そして、NextPeak社共同創業者Greg Rattray博士にウクライナにおける米国のサイバー活動からの学びをお話しいただきました。ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく1年が過ぎようというこの時に、当事者の方々から貴重なお話を伺うことができ、改めて日本の国家安全保障について考える機会となりました。
参加者の皆様からも、大変興味深いフォーラムであったとの言葉をいただき、事務局一同、この場を借りて感謝申し上げます。
講演者の北村滋氏(北村エコノミックセキュリティ代表)、Greg Rattray博士(NextPeak共同創業者)のお二人から、当日の資料を共有する許諾を得ました。
各講演で使用した資料をそれぞれのセッションの概要に付記したリンクからダウンロードできます。
開会の御挨拶
株式会社ソリトンシステムズ 取締役 鎌田 理

株式会社ソリトンシステムズは1979年創業、80年代からNWビジネスに関わっている企業です。これまでに、日本語TCP/IPの提供を始め、いくつかのチャレンジをしてまいりました。主力事業は自社開発セキュリティ製品・サービスの販売です。最近は、ゼロトラストに関わる「認証」ソリューションの提供に力を入れています。
本日は、3名の当事者の方々に、ご経験に基づく貴重且つ有益なお話をいただけるものと思います。参加者の皆様と共に、「国家安全保障とサイバーセキュリティ」について考える機会となれば幸いです。
サイバー安全保障の強化
自由民主党 安全保障調査会幹事長 衆議院議員 木原 稔氏

ロシアによるウクライナ侵攻では、その前から、サイバー攻撃が行われており、ハイブリッド戦争となっています。昨年12月に国家安全保障戦略他3文書を公表しましたが、自民党安全保障調査会幹事長として、その策定に深く関わりました。
サイバー分野において直面する課題とリスクは3つあります。サイバー攻撃による社会への影響の深刻化、軍事目的でのサイバー空間利用が加速度的に進展していること、そして、サイバー空間においては圧倒的に攻撃者が有利であることです。それらを踏まえ、国家安全保障戦略においてサイバーセキュリティに言及し、「能動的サイバー防御」(アクティブ・サイバー・ディフェンス)能力の導入を謳いました。日本を取り巻く安全保障環境は非常に厳しく、やるべきことを速やかに実現できるよう取り組んで参ります。
国家安全保障とインテリジェンス
北村エコノミックセキュリティ代表 北村 滋氏

ロシアがウクライナを侵略してから1年が経過。ウクライナの予想以上の「善戦」は、米国がインテリジェンス(情報)分野で支援している影響が大です。
米国中央情報局のバーンズ長官による侵攻前に行われたプーチン大統領、ゼレンスキー大統領との各会談で何が話し合われたかを類推することができます。ロシアとウクライナの軍事力を比較すると圧倒的な差がある(あった)ことが分かります。インテリジェンスが重要な役割を果たしていると理解できます。
台湾有事における日本の安全保障に関する教訓としては、第一列島線を巡る攻防になるだろうということ。そして、様々な局面で、情報力と軍事力を高度に融合した安全保障政策の推進が必要であること。
講演資料
ウクライナにおける米国のサイバー活動を踏まえた日米連携
NextPeak Partner Greg Rattray博士

日米のサイバー連携は確実に強化されています。しかし、取り組みの多くは、情報提供に留まっているのは残念なことです。
2023年1月ワシントンDCにおいて、バイデン大統領と岸田首相がさらなる安全保障に共同で取り組むことに合意したのは画期的であり、特にデジタル及びサイバーでの深い連携が期待されます。NextPeakは米国のウクライナへのサイバー支援(CDAC)の主要リーダーを務めており、そのノウハウは、他の地域へ適用可能なアジャイルモデルです。
ロシアとウクライナの戦争は長期化する恐れがあり、サイバー攻撃が再び広範囲に広がるリスクがあります。国家レベルのアクティブ・サイバー・ディフェンスについて、米国は日本を支援する準備があり、協力したいと考えています。
講演資料
Fireside chat サイバー日米連携への示唆
北村エコノミックセキュリティ代表 北村 滋氏
NextPeak Partner Greg Rattray博士
モデレータ:株式会社ソリトンシステムズ 土屋 徹

北村滋氏、Rattray博士に対し、ソリトンシステムズ執行役員の土屋が、次のような質問(一部)を投げかけました。両者から、端的な回答を得ることができ、それぞれの講演と合わせ、より理解を深めることができました。
・日本の国家安全保障戦略文書について、どのように評価するか
・ブレア提督は11月来日した際、日本政府は当面英国のGCHQを参考に取り組むことを示唆しているが、それは達成可能な目標なのか
・米国で、重要インフラ等の企業に求められるActive Cyber Defenseはどのようなものか
・サイバーセキュリティ分野における日米連携はどのように進むと考えているか。特に台湾有事を想定して、連携を促進するのに有効な示唆があれば教えて欲しい。