導入事例
地方独立行政法人 広島県立病院機構 県立安芸津病院
「FileZen S」でファイルの受け渡しを刷新
USBメモリ全廃、セキュリティ強化と使いやすさを両立
県立安芸津病院は、地方独立行政法人 広島県立病院機構が運営する、東広島市安芸津町の地域中核病院です。1948年に県立病院として開設されて以来、地域の医療を支えてきました。現在は80床(急性期一般病床50床、地域包括ケア病床30床)に、内科・小児科・外科・整形外科をはじめとする12の診療科を備え、救急告示病院として地区医師会と連携した二次救急にも対応。病気の予防から治療、在宅復帰まで、地域と一体となって住民の健康を支えています。
課題
- USBメモリの紛失やウイルス感染などのセキュリティリスク
- ファイルの受け渡しを総務課が代行することによる運用負荷
- セキュリティ対策に充てられる予算が限られている
導入効果
- USBメモリを全廃し、セキュリティリスクを軽減。操作ログも記録可能に
- 利用者自身でファイルを受け渡せるようになり、業務を効率化
- 補助金を活用し、導入コストを抑制
県立安芸津病院様 イメージ図

USBメモリ運用が抱えるリスク
地方独立行政法人 広島県立病院機構が運営する県立安芸津病院。同院には、電子カルテなど個人情報を扱う「電子カルテ系」、インターネット利用などの「情報系」、広島県立病院機構と接続する「地方独立行政法人系(以下、法人系)」の3系統のネットワークがある。
同院ではレセプトの送信や病院機構との文書・統計データのやり取り、検査結果や患者写真の電子カルテへの取り込みなど、系統をまたぐファイルを受け渡す際、申請を受けた総務課がUSBメモリを用いて作業を代行していた。

総務課 医療経営グループ 兼 医療情報管理室の梅田惇美氏は、その課題を次のように語る。
「業務上の工数軽減の必要性に加えて、紛失や媒体を介したウイルス感染などのセキュリティリスクに大きな不安を抱いていました。また、いつ・誰が・どのファイルを受け渡したかなどの記録も残しづらい。そのため、USBメモリに頼った運用そのものを院内からなくしたいというのが、長年の懸案でした」
脱USBメモリを実現するソリューションとの出会い
きっかけは、2025年7月の日本医療情報学会春季学術大会。導入の実務を担った同室の神田真一氏は、検討の経緯をこう明かす。
「同会に参加した上司から『USBメモリに代わる専用の仕組みがあるぞ、すぐに導入を検討しよう』と指示を受けました。ソリトンに製品紹介を依頼すると、すぐにエンジニアがデモ機を携えて来院し、その日からPoC(導入に向けた試用)が始まりました」

「FileZen S」は、分離されたネットワークの間で、ファイルの受け渡しを安全に行うアプライアンス。USBメモリのような物理媒体を使わず、ドラッグ&ドロップ操作だけで異なるネットワーク間へファイルを受け渡せる。上長による承認や操作ログの記録に加え、オプションでファイルの無害化製品との連携にも対応する。
PoCで確かめたのは、何よりも操作性だった。
「実環境で試したところ、操作が直感的で簡単。特に問い合わせすることもなく理解できました。これならITリテラシーを問わず、院内の誰もが使いこなせる手応えがありました」(神田氏)
導入の決め手となった補助金活用の提案
同院では、セキュリティ対策や業務効率化のための設備予算承認が課題だったが、今回は補助金活用で克服した。
医療機関向けには、サイバーセキュリティや医療DX、地域医療のICT基盤整備などを対象とした各種の支援制度※が設けられており、その活用の可能性は高い。
※対象事業や補助要件は、制度や年度によって異なります。
神田氏はこう振り返る。
「上層部にはUSBメモリを使い続けるセキュリティリスクと、日々の業務非効率を丁寧に説明しました。加えて、補助金でイニシャルコストをほぼ賄えるとのソリトンからの提案が効きました。公共機関や病院への導入実績の豊富さに加えて、これが決め手となりました」
シンプルな操作性でスムーズに院内へ展開
2025年7月末より約2か月間のPoCを経て、同院は10月に正式発注。年内には構築が完了し、2026年1月より本格稼働した。同院では、電子カルテ系と情報系、電子カルテ系と法人系のそれぞれでファイルを受け渡せるよう、FileZen Sを計2台導入した。
「2台構成にすることで、これまでUSBメモリを使っていたネットワーク間のファイルの受け渡しをFileZen Sに置き換え、院内のUSBメモリ利用をゼロにできました。利用者は必要なファイルを自分の端末から受け渡せるため、運用もシンプルです。機器の設置や設定の手間もなく、ブラウザで利用できるため端末へのソフトインストールも不要です」(神田氏)
FileZen S導入後、ファイルの受け渡しは総務課の代行ではなく、利用者が各自で行う運用に変わった。
「院内への展開にあたり、ソリトンのマニュアルを当院の画面に合わせて作り替えて配布し、電子カルテの掲示板にもマニュアルを掲載しました。その後、事務職員と各部署のシステム担当者約30名を集めて説明会を開催。利用IDを配布し画面操作を実際に見てもらいましたが、操作についての質問もほぼなく、全院でスムーズに利用を開始できました」(神田氏)
USBメモリ全廃で業務効率化とセキュリティ強化を実現

長くファイルの受け渡しの代行業務を担ってきた同室の藤本優花氏は、現場の変化を次のように語る。
「画像を電子カルテへ取り込む際、これまでは総務課の担当者が依頼を受けて、デジカメからUSBメモリを経由して別端末へ転送していました。導入後は、各自が自身の端末でファイルをドラッグ&ドロップすれば完了します。職員からも『操作がシンプルで使いやすい』『自席で作業が完結し、業務効率が上がった』と好評です」
USBメモリのセキュリティリスクと管理の煩雑さも解消した。
「院内のUSBメモリは全廃し、繁忙時に部署をまたいで空いているメモリを融通し合うといった必要もなくなりました。持ち出しや紛失のリスク、媒体を介した感染リスクも低減。管理自体も不要になりました。マニュアルがあるので誰でも操作でき、運用の引き継ぎもしやすくなりました」
さらに、これまで残しにくかったログの記録も実現した。
「いつ・誰が・どの端末から・どのファイルを受け取ったかが残るため、追跡・報告の安心感に加え、不正の抑止にもつながります」(神田氏)
USBメモリ運用に課題を抱える病院へのアドバイス
本プロジェクトを通じ、同院はソリトンの対応を次のように評価する。
「ソリトンとは今回が初めてのお付き合いでしたが、提案から導入までの対応も速く、稼働後のサポートも手厚く、いつも助かっています。当院のような地方病院でも近くにエンジニアがいてくれる、何かあればすぐに相談できるなど、国産メーカーならではの安心感は、とても大きなものがあります」(神田氏)
USBメモリ運用に課題を抱える病院に向け、最後に導入経験者としてのアドバイスを伺った。
「いくら運用で工夫を重ねても、物理媒体がある限り、紛失やウイルス感染などセキュリティリスクに対する不安は消えません。だからこそ、USBメモリはそもそも使わせない仕組みにしてしまうのが一番。人員も予算も限られる当院でも、FileZen Sなら無理なく導入、運用できています」(梅田氏)
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2026年7月作成時の情報に基づいています。