導入事例
株式会社ヒノキヤグループ
新オフィスのフリーアドレス化にSoliton OneGateを採用
セキュリティ強化とシステム運用効率化を両立

- Soliton OneGateで安全かつ安定した無線LAN利用を実現。移転初日もトラブル無く運用開始
- 利用者に意識をさせない適切なアクセス制御を実現。通信ログを記録し、有事にも対応可能
- デジタル証明書の配布・失効やアカウント管理をクラウド上で完結し、管理工数を大幅に削減

株式会社ヒノキヤグループ 様 イメージ図

オフィス移転とフリーアドレス化に加え、従来製品がサービス終了。より管理性の高い後継ソリューションが求められた
ヒノキヤグループは、住宅事業を核に多角的な事業を展開。中でも自社開発の全館空調システム「Z空調」は発売開始から8年で3万棟を突破するなど、その快適性と省エネ性能が、市場から高く評価されている。
同社は2004年から、ソリトンシステムズのネットワーク認証アプライアンスであるNetAttest EPSを、2018年からはクラウド版のNetAttest EPS Cloudを活用し、無線LAN(社内Wi-Fi)のアクセス制御を行ってきた。その理由を、DX推進室 室長の萩原 紀和氏は次のように語る。
「当社は建築や不動産といった事業の性格上、いろいろな業種のお取引先様が頻繁にオフィスに出入りします。そのため無線LANのセキュリティ強化施策として、利便性とセキュリティ強化を両立するNetAttest EPSのデジタル証明書による端末認証を行ってきました」
そして2023年、同社はグループ再編およびオフィスの統合を決定する。経営資源の集中と業務効率化を目的に6社の子会社が合併し、各事業会社は株式会社ヒノキヤグループ内に新たに設置さ れるカンパニーにおいて、各ブランド事業を運営する。それに伴い、東京丸の内の本社オフィスのフロア移転と増床が実施されることとなった。

ここでの新たな課題を、萩原氏は次のように話す。
「同年4月稼働の新オフィスは、フリーアドレスを採用。固定席での有線接続が多かった従来オフィスに比べ、新オフィスでは全社員がWi-Fi利用となるため、システム管理のさらなる効率化が不可欠でした。また、これまで利用してきたNetAttest EPS Cloudは2021年末に販売終了となっており、後継ソリューションへのリプレイスが必要になりました」
柔軟なアクセス制御と運用負荷の軽減がSoliton OneGate導入の決め手に
同社はベンダーより、NetAttest EPS Cloudの後継ソリューションとしてSoliton OneGate(以下、OneGate)の紹介を受ける。OneGateはIDaaSとしてWi-Fi/VPN認証、SAMLによるSSO、オンプレミスシステムへのパスワードレス運用など、より幅広い認証サービスを提供するクラウド型ソリューションだ。
萩原氏はOneGateの印象を、このように語る。
「これまでの利用においてソリトン様の製品品質やサポートに満足していましたので、OneGateへの移行を軸に検討を進めました。OneGateは、当方が求める同一フロアで活動する金融系グループ企業のフュージョン資産マネジメントの社員端末とのアクセス制御が柔軟に実現できることに加え、従来よりも管理工数の軽減も期待できる。こちらのやりたいことが実現できて、新たなメリットも得られるのであれば、ぜひ導入したいと考えました」
DX推進室 係長の中三川 孝行氏は、従来の管理課題およびOneGateへの期待を、次のように話す。
「従来は、サービス側であらかじめ決められた固定IDに対し、ユーザーとデジタル証明書を手動で割り当てる形になっており、ユーザーIDと端末、証明書を個別に管理していました。また、デジタル証明書では異動や退職などで利用しなくなったユーザーの失効処理において、サポートに依頼してアカウントを初期化してもらう必要がありました。その点、OneGateなら任意のユーザーIDによる認証が可能であり、ユーザーの追加や証明書の配布・失効管理などが全てクラウド上で自社完結できます。当社はクラウドシフトを推進しており、その方向性ともフィットします。また、デジタル証明書認証に必要なNetAttest EPS-edgeアプライアンスもゼロコンフィグ運用で、特段管理の手間がかからない点も決め手となりました」
デジタル証明書運用の専用アプリでインストールを効率化。移転初日のスムーズな無線LAN利用を実現
オフィス移転は2023年4月のフロア移転、7月に他拠点メンバーの合流という二段階で実施された。萩原氏は当日の状況を以下のように振り返る。
「Wi-Fiへの接続がうまくいかない場合のバックアップ策として、有線LAN接続用ケーブルを用意してスタンバイしました。実際は何事も問題が無く、皆がスムーズに無線LANを利用開始できたため、安心しました」
従来は、デジタル証明書のインストールは管理者でのキッティング作業が必要であったが、OneGateは利用者自身による設定が可能だ。オフィス移転に備え、前もって準備できたメリットも大きかった、と中三川氏は次のように明かす。
「事前に、証明書インストール専用アプリ『Soliton KeyManager』をMDM経由で各端末に配布しておくことで、デジタル証明書のインストールは新オフィスでの勤務初日に、各自で実施してもらうことができました。マニュアルを配布していたこともあり、各自の設定もスムーズに完了。移転時は、我々も色々とやることが多く大変だったのですが、管理側の負担を大幅に抑えることができて助かりました」
OneGateで無線LANセキュリティ強化とともに運用管理を大きく効率化
こうして新オフィスと共に利用が開始されたOneGate。その運用軽減に対する効果を、DX推進 室主任の田中 雅輝氏は次のように話す。
「OneGateではユーザーIDと端末、証明書の割り当てが全てクラウド上で完結できるようになり、アカウントもメールアドレスによる管理にしたことで、他のシステムと一緒に効率的に管理できるようになりました。ユーザーの新規追加や削除作業を初めて行った際も、マニュアルを見ずに管理コンソールから直感的に行えました」
利用開始後の運用について、中三川氏はこう評価する。
「OneGateは利用者からの問い合わせも特になく安定して稼働しており、運用も手がかかりません。無線LANに接続できないといったトラブルもほとんどなく運用できています」
OneGateに求めたもう一つの要件である、グループ会社とのアクセス制御について、萩原氏はこう語る。
「アクセス制御はさまざまなハードルがありながらも、ベンダー様やソリトン様の尽力で、無事に実現できました。利用者は特に意識することなく、自身の端末を開けば所属する適切なネットワークに自動接続されます。また、すべての通信ログは自動記録されており、万一の際にも安心です」
DXやAI活用などに注力するため、継続して管理負荷のかからない統合ソリューション提供に期待
こうして、OneGateによる無線LANセキュリティの強化と管理性向上を実現させたヒノキヤグループ。同社では営業や工事など各部署が主体となったDXによる業務効率化および、新たな顧客価 値の創出に取り組んでおり、DX推進室は近年、AIのビジネス活用検討に注力しているとのこと。
今後の展開について、中三川氏は次のように語る。
「本社オフィスは引き続きOneGateを利用していく予定です。他拠点については今後、フリーアドレス化のタイミングに合わせて本社と同様 OneGateを展開していければと考えています」
最後に萩原氏は、ソリトンへの期待を次のように結んだ。
「ソリトン様は今回導入したOneGateのように、こちらが『何となくできたらいいな』と考えるアイデアを実現するソリューションを提供してくれる印象があります。特にセキュリティ領域はネットワークや端末、無線LANなどさまざまなソリューションが存在し、それらを導入すると管理が複雑化しがちです。管理はシンプルかつ、手間がかからないに越したことはありません。ソリトン様には今後も、可能な限りシンプルに統合された、利用も管理もしやすいソリューションを提供してくれることを期待しています」
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2025年7月作成時の情報に基づいています。