導入事例
損保ジャパンDC証券株式会社
Windowsサーバー依存の分離環境を刷新
金融業務に求められる安全性と運用性を両立
損保ジャパンDC証券株式会社は、1999年設立の確定拠出年金(DC)専門事業会社です。SOMPOグループの一員として、企業型DCとiDeCo(個人型確定拠出年金)の制度設計、口座管理、運用サポートまでをワンストップで提供しています。DC分野における長年の実績に加え、英語による包括的な対応も強みとしており、外資系企業を含む多くの企業の制度運営を支えています。
課題
- Windowsサーバー中心の分離環境が、見直しの時期に
- OS パッチ適用やChrome更新対応が運用管理の負担大
- ファイル受け渡しに利用していたシステムに安定運用上の課題
導入効果
- 専用アプライアンス化により、コストを抑えやすい構成へ移行
- メンテナンス対応が減り、運用負荷を軽減
- ファイル受け渡し環境を刷新し シンプルで使いやすい運用を実現
損保ジャパンDC証券株式会社 様 イメージ図

規制対応を背景に運用してきた分離環境を見直す
確定拠出年金を扱う損保ジャパンDC証券株式会社では、業務の性質上、高い情報セキュリティ水準が求められます。厚生労働省のガイドライン(「私的年金分野における個人情報の技術的安全管理措置」)への対応も踏まえ、同社では業務環境とインターネット利用環境を分離した構成を維持してきました。
従来は、Windowsサーバー上でRemote Desktop Services(RDS)を利用し、その上でブラウザを動かす構成と、ファイル転送の仕組みを組み合わせて運用していました。一定の要件を満たす構成ではあったものの、時間の経過とともに、運用負担やコストの面で見直しの必要性が高まっていきました。

情報システム部 スペシャリストの田村昭人氏は、「セキュリティを維持することは前提ですが、その上でいかに運用をシンプルにできるかが重要でした」と振り返ります。
コスト高騰と運用管理負荷が重なっていた
見直しの背景にあったのは、大きく二つの課題でした。
一つは、WindowsサーバーやRDSライセンスにかかるコストです。導入当初と比べてライセンス費用が上昇し、Windows Server本体やOS保守を含めた全体コストが重くなっていました。分離環境を維持する以上、一定のコストは避けられないものの、従来構成のままでは負担が大きい状況になっていたのです。
もう一つは、運用管理の負担です。WindowsのOSパッチ適用に加え、Chromeのバージョンアップに伴って想定していない機能が有効になることがあり、ポリシー上制限すべき機能をユーザーが使い始めてから気づく、といったことも起きていました。
さらに、ファイル受け渡しに利用していたシステムについても安定性の観点から見直しの余地があり、サポート終了も控えていたことから、同社では現状維持ではなく、分離環境全体を見直す必要に迫られました。
Web利用とファイル受け渡しの仕組みを見直す
新たな構成の検討にあたっては、既存構成の継続利用に加え、クラウドサービスの活用や独自構築など複数の選択肢を比較検討しました。
その中で採用されたのが、分離環境でのWeb利用を担うSoliton SecureBrowser(以下、SecureBrowser)と、分離環境とインターネット利用環境の間でファイルを受け渡すFileZen Sの組み合わせです。
評価の軸となったのは、セキュリティ面だけではありません。費用、運用・メンテナンスのしやすさ、サポート体制を含めて総合的に判断されました。専用アプライアンス製品であるため、OSやブラウザのパッチ管理から解放されることも、大きなポイントでした。また、SOMPOグループ内での導入実績があったことも、選定時の安心材料になりました。
田村氏は次のように話します。
「SecureBrowserとFileZen Sはアプライアンス製品のため、ソフトウェアの導入や個別管理が不要で、設定や運用がシンプルです。FileZen Sは画面が分かりやすく、ファイルの流れも把握しやすい。ワンクリックでアップロードできる点も含め、ユーザーにとって扱いやすい仕組みだと感じました」
PoCと段階移行で、無理のない切り替えを実現
正式採用に先立ち、同社ではPoCを実施しました。実運用を想定した検証を通じて、通常のブラウザ利用や設定面に問題がないことを確認。PoC時に作成した設定内容を本番導入にも活用できたことが、その後のスムーズな構築につながりました。
導入にあたっては、一斉に切り替えを行うのではなく、並行運用期間を設けて段階的に移行を進めました。まずファイル受け渡しの旧環境を停止し、その後にブラウザ側を切り替えることで、利用者への影響を抑えながら新しい環境へ移行しています。事前の社内説明会に加え、切り替え前にはあらためて周知を行うなど、定着に向けた丁寧な対応も重ねました。
「操作方法の変更による影響を懸念していましたが、事前に説明会を実施したため問い合わせも少なく、スムーズに移行できました」
運用負担の軽減と安全性の確保を両立
導入後、まず実感したのは運用負荷の軽減でした。従来必要だったOSパッチ適用やサーバー管理、ブラウザの挙動変化への対応といった恒常的な管理業務が減り、インフラ担当者の負担は大きく軽減されました。
セキュリティ面でも安心感は高まりました。SecureBrowserは、ブラウザを閉じるとダウンロードしたファイルが自動的に削除される仕組みを備えており、端末にデータが残りにくい構成になっています。また、FileZen Sは、分離環境とインターネット利用環境の間のファイル受け渡しを分かりやすく実現し、利用者への説明や定着の面でも効果を発揮しました。
ソリトンシステムズのサポート体制も高く評価されています。
「マニュアルが整備されていたことに加え、問い合わせへの対応も迅速でした。PoC時に気になっていた点が導入時には改善されており、安心して導入を進めることができました」
SOMPOグループ全体で継続的なセキュリティ強化を推進
今回の取り組みにより、損保ジャパンDC証券株式会社では、安全性を維持しながら運用負担の軽減を実現しました。
今後もSOMPOグループ全体でセキュリティガバナンスの強化が進む中、同社ではさらなる最適化を図りながら、顧客に安心してサービスを利用してもらえる環境づくりを進めていく考えです。
田村氏は、今回の導入を次のように振り返ります。
「今回の導入で、安全性と運用効率のバランスが取れた環境を構築できました。今後も安定した運用を継続しながら、継続的な改善を進めていきたいと考えています」
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2026年3月作成時の情報に基づいています。