導入事例

会津地方市町村電子計算機管理運営協議会

複数自治体の認証環境を共同利用で最適化
認証精度を高めながら運用負荷とコストを軽減

会津地方市町村電子計算機管理運営協議会

1967年4月に2市7町2村で発足し、8月より会津若松市役所内に汎用機を設置。まずはバッチ処理から共同利用を開始し、1987年に会津若松市の住民情報オンラインシステム「ARIS/X」が本稼働。1992年4月に19町村の住民情報システム「PORIS/IV」が本稼働。1999年4月に18町村で総合行政情報システム「MINDCITY」が本稼働。2005年に民間データセンターを活用した共同運用を開始し、2010年から6町村でサーバー仮想化による共同運用を開始。現在は1市3町3村が協議会に加入しています。

会津地方市町村電子計算機管理運営協議会

課題

  • 手のひら静脈認証の不安定な精度とレスポンスの遅さ
  • 自治体ごとのスタンドアロン運用による認証情報管理・障害対応の負担
  • 専用認証デバイスの更新・保守に伴うコストの増加

導入効果

  • SmartOn IDによる高精度でスピーディーな顔認証の実現
  • 認証サーバーの一元管理と権限分散によって、センターと各自治体双方の運用負荷を軽減
  • 共同調達・共同利用によるライセンス・運用コストの最適化

会津地方市町村電子計算機管理運営協議会様 イメージ図

「共同利用」で地域を支える会津計算センターが直面した認証の課題

 1967年の設立以来、会津地方市町村電子計算機管理運営協議会(以下、会津計算センター)は、会津地域の自治体情報システムを共同利用という形で支えてきました。現在は会津若松市を除く3町3村の住民情報システムを共同運用し、共同調達・共同利用によって、小規模自治体では導入や維持が難しい情報システムやセキュリティ対策を実現しています。

 会津計算センター 副主幹の荒川修氏は、共同利用のメリットをこう話します。

「各自治体が個別にシステムを整備・運用するには、人員面でもコスト面でも限界があります。共同利用だからこそ、限られた予算でも安定したシステム運用と高いセキュリティレベルを維持できるのです」

 一方で、同センターは認証に2つの課題を抱えていました。

 1つは認証システムの「運用管理」です。

マイナンバー利用事務における認証システムを各自治体内に個別に設置していました。スタンドアロン型のためデータセンター側から状態を把握できず、障害発生時には保守担当者が現地に行く必要があり、対応にタイムラグが生じていました。

 もう1つは認証の「精度」です。

従来利用していた手のひら静脈認証では、利用者の体調や手の状態などによって認証しづらくなることがあり、窓口で住民をお待たせしてしまうリスクがありました。また、端末ごとに専用の認証デバイスが必要なため、機器の更新や維持管理にかかる継続的なコストも課題でした。

 こうした課題を解決しながら、複数の自治体で効率的に利用できる環境を実現するため、会津計算センターは新たな認証システムの検討を開始しました。

複数自治体の「運用」に寄り添う認証システムSmartOn IDの導入へ

 認証システムの更改にあたり、認証精度に加え、複数自治体の認証情報を効率的に管理できることや、各自治体の運用負荷を軽減できることを重要な要件としました。こうした要件を満たす認証システムとして採用したのが、SmartOn IDです。

 「求めていたのは、顔認証という機能ではなく、共同利用に適した運用を実現できることでした」と荒川氏は話します。

 大きなポイントは、共同利用に適した「一元管理」の仕組みです。SmartOn IDなら、各自治体で異なるActive Directory環境を維持したまま、複数ドメインの利用者を一つの認証システムに集約できます。加えて、各自治体にサブマネージャー権限を委任することで、利用者の追加・変更などを各自治体内で完結できるようになりました。

 同センター 係長の根本崇範氏は、「利用者情報を一元管理しながら、各自治体でも必要な管理ができる点は、私たちの運用に非常に適していました」と振り返ります。

 導入にあたっては、6団体で基本となる設定や手順をそろえ、認証情報の登録や端末への展開を効率化。一定のルールに基づいて環境を構築することで、導入後の管理や引き継ぎも行いやすくしました。

 2023年12月に認証サーバーを構築し、2024年1月から職員の顔情報登録を開始。ソリトンシステムズによる詳細設計などの支援を受けながら、各団体への展開を円滑に進めました。

 「製品だけではなく、共同利用という私たちの運用を理解した上で提案していただけたことも、安心して導入できた理由の一つでした」と荒川氏は評価します。

高精度な顔認証と「一元管理×権限分散」で運用負荷を軽減

 SmartOn IDへの移行後、新たな認証環境はトラブルもなく日常業務に定着しました。まず効果が現れたのが認証の精度です。

 根本氏は、「静脈認証では手の位置を調整してもなかなかログインできないことがありましたが、SmartOn IDの顔認証になってからは短時間で認証できるようになりました。マスク着用時などでも瞬時に認証され、精度の高さを実感しています」と話します。

 管理面でも、センターと各自治体双方の業務負担が大幅に軽減されました。従来は障害時に保守担当者が現地へ赴く必要がありましたが、現在はサーバー側でクライアントの状況を把握できるため、対応スピードが向上しました。

 一方で、日常的な利用者登録や人事異動時のメンテナンスは、権限を委任された各自治体の担当者自身でその場ですぐに完結できるようになりました。

 「以前は利用者登録や異動対応のたびに会津計算センターへ依頼し、対応まで時間がかかることもありましたが、今は各自治体でその場ですぐに対応できます」と根本氏は語ります。

 この役割分担により、管理負荷を軽減するとともに、利用者がシステムを利用できない時間の短縮にもつながりました。

 コスト面でも、6団体分のライセンスをまとめて調達し、各自治体の利用状況に応じて必要数を割り当てることで効率的に活用。既存PCのカメラを利用することで、専用認証デバイスが原則不要となり、維持管理負担も軽減しました。

 共同利用のメリットは、コストや運用効率だけではありません。共同利用の枠組みがあることで、各自治体が足並みをそろえて新たな仕組みを導入しやすくなり、結果として地域全体のセキュリティレベルの底上げにもつながりました。

 荒川氏は、「認証方式を刷新したこと以上に、共同利用に適した運用体制を構築できたことが今回の成果です。SmartOn IDによって、認証環境だけでなく運用そのものを見直すことができました」と総括します。

共同利用モデルのさらなる発展を目指して

 会津計算センターでは、SmartOn IDの導入により、複数自治体で持続的に利用できる認証環境を整備しました。

 荒川氏は、今後の展望について次のように語ります。

 「共同利用という仕組みはこれからも変わりません。一方で、技術は常に進化しています。特定の製品にこだわるのではなく、その時代に最適な技術を取り入れながら、安全で使いやすいシステムを提供し続けることが重要だと考えています。」

 今回のSmartOn IDの導入は、共同利用に適した認証運用を実現する取り組みとなりました。今後も会津計算センターは、共同利用の強みを生かしながら、安全性と利便性を両立した情報システム環境の整備を進めていきます。

お忙しい中、有り難うございました。

※本ページの内容は、2026年7月作成時の情報に基づいています。

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