導入事例
前橋市
全職員のChromebook™ 活用をさらに拡大
自席・外出先で安全にネット利用。効率化とコスト削減を両立

- Chromebookでできることにインターネットやメールの利用を追加
- 自席・外出先からいつでも調べ物やメール確認ができ、業務効率が向上
- Windows11端末の購入台数が1/3ほどに縮小できる見込み

前橋市 様 イメージ図

全職員に支給したChromebook へ内部事務を集約中
「デジタル技術とデータの活用を推進し、住民本位の行政、地域社会を実現する」をビジョンに掲げ、2021年に「DX推進計画」を策定した前橋市。スマホアプリやマイナンバーカードを利用した交通サービスの提供など、他の自治体に先駆けた取り組みが注目されてきました。
同市では2023年より、ペーパーレス化やリモートワークといった生産性の高い働き方を目指し、各職員に支給している業務端末としてChromebook を採用しました。これにより、ISMAPに登録されたクラウドへ安全に利用できる環境を整備しました。現在では、2,700人以上の職員がChromebook を使用しており、文書作成や庁内ネットワークの利用に加え、さらなる内部事務の集約を進めたい意向があります。こうした背景を踏まえ、Chromebook の利用拡大・促進を目指して、様々な方法を模索しています。
インターネットやメールを利用する度に移動する手間が悩みの種
早くから検討されていたのが、ISMAPに登録されたクラウド以外のインターネットについても、Chromebook から安全に接続できるようにすることでした。自治体情報システムのネットワークでは、内部事務やマイナンバーを取り扱うネットワークと、インターネットを分離する必要があるため、職員の業務用端末とは別にインターネット接続用のWindows端末を利用してきました。しかし、各課に共有端末として2,3台しか設置されておらず、これが業務効率を大きく損なう要因となっていました。

「たとえば外部の方とメールをする際、インターネット接続用端末へ移動しなければなりません。そのため、かなりのストレスや時間のロスを感じていました」と語るのは、前橋市 未来創造部 情報政策課 主任 小林氏。
同課の課長補佐兼情報政策係長 綱島氏は「誰かが使っていれば空くのを待たねばならず、タイムリーに調べ物ができませんでした」といいます。


同課の主任 原氏も「ファイルの受け渡しには別の端末でアップロードして、自席に戻ってダウンロードするなど、余計な時間がかかっていました」と振り返ります。
ユーザーの声を大切に、一緒に作り上げたSoliton SecureBrowser
そんな中、2024年度の初頭にソリトンシステムズの営業担当者が挨拶へ訪れた際、原氏はChromebook の活用を相談します。
そこで紹介されたのが、同社の提供する「Soliton SecureBrowser(以下、SecureBrowser)」でした。SecureBrowserのChromebook 対応が間近に予定されていたのです。
「Chromebook で使えるセキュアブラウザは、ほぼ他に例がありませんでした」という小林氏。原氏は「ソリトンシステムズのFileZen Sを以前から利用し、高く評価していたこともあり、すぐに興味がわきました」と語ります。
5月には議会で予算化され、7月から試用・検証期間へ入ることになりました。情報政策課を中心に、各課の職員数人も加わり50人ほどで、数か月におよぶPoCを実施。リリースされたChromebook 対応版SecureBrowserを実際に検証した結果、実運用に向けた改善ポイントが明らかになりました。そこでソリトンシステムズは、試用期間における前橋市の意見を参考に、機能を拡張・修正しながら品質のさらなる向上に取り組むことに。小林氏は「実際に使用してみて感じた、物足りなさや使いづらさなどをお伝えし、機能を拡充・改善していただきました」と話します。
試用期間は年末まで半年近くにわたりました。その間に出た意見は、現在のSecureBrowserに反映されており「一緒に作らせてもらったような感じです」と小林氏。原氏も「ソリトンシステムズの積極的に開発・改良してくださる姿勢は、とても期待できるものでした。実際、スピード感をもって動いてくださったと思います」と評価します。
こうして翌2025年1月、正式な導入が決定。段階的に各課への導入を進め、3月には全職員のChromebook にSecureBrowserのインストールを完了。本稼働しました。
スムーズに、ストレスなく、インターネットが閲覧できる
本稼働から約5カ月。2,700以上のユーザーは順調に利用しており、評判は非常によいといいます。「リモートデスクトップにありがちな、マウス操作でカーソルが遅れて動くようなストレスは感じません。一般的なWebブラウザ感覚で使っています」と小林氏は評価します。また、原氏も「各自のChromebook を使って自席・外出先でメールができるようになり、業者とのやり取りがすごくスムーズになったという職員の話を聞きました」と教えてくれました。
SecureBrowserを導入したことで、外部とのコミュニケーションが著しく向上した様子です。
綱島氏は「運用上の負担も感じていません」といいます。SecureBrowserの配付・インストールは、ユーザーにGoogle Playストアからアプリをダウンロードしてもらうだけ。そしてアップデートも、SecureBrowserの認証ゲートウェイによって管理・更新されるため自動で行われます。このため、ユーザー側の負担を極力抑えることができます。
リプレースに必要なWindows11も大幅削減へ
試用期間も含めて1年近い稼働期間の中で、システム上のトラブルやセキュリティ上の事故は起きていません。綱島氏も「新しいシステムを導入すると何かしらトラブルが起こりがちですが、SecureBrowserは比較的安定しています。職員も使い方をすぐに習得し、日常業務に自然に溶け込んでいます」と語ります。使い方に関する職員からの問い合わせも、ほとんどないとのことです。
また、2025年10月にWindows10のサポート終了を迎え、本来であれば数百台の端末を入れ替える必要がありました。しかし「SecureBrowserを導入したおかげで、今まで各課に2,3台設置してきたインターネット接続用Windows端末は、外部メディア接続用に1台もあれば十分になりました」と綱島氏。職員各自のChromebook からインターネットへ接続できるようになったため、必要となるWindows11端末の台数は、従来の1/3ほどになる見込みです。必要台数が減少したことで、購入コストを抑えられるという大きなメリットが生まれました。
Webベースで使えるソリューションの開発・提供を今後も期待に
デジタル庁は、自治体ネットワークの三層分離を廃止し、ゼロトラスト・アーキテクチャへと移行していく方針を示しています。また、オンプレミスで運用されていた自治体のサーバーがクラウド化されていく流れの中で、より安全性や利便性の高い端末利用が求められています。小林氏は将来的な課題として「公共分野においても、クラウド利用の流れは加速しており、今後はクラウド間やクラウドとオンプレミス間のデータ連携、認証の課題を解消できればと思っています」といいます。だからこそ「求めるのはWindowsか、Chromebook かといった、特定のOSに依存しないWebベースのソリューションの拡充によって、選択肢が増えることです」と綱島氏。
ソリトンシステムズへ寄せる期待の大きさが伝わってきました。
お忙しい中、有り難うございました。
※本ページの内容は、2025年10月作成時の情報に基づいています。