2024年12月19日

【国内初】オンデマンド型自動運転(Lv.4)サービスの社会実装に向けた自動運転遠隔監視実証を実施

 MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(代表取締役社長: 新納 啓介、以下、あいおいニッセイ同和損保)およびMS&ADグランアシスタンス株式会社(代表取締役社長:鈴木 省一、以下、グランアシスタンス)、株式会社ソリトンシステムズ (代表取締役社長:鎌田 理、以下、ソリトンシステムズ)、株式会社エクセイド(代表取締役社長:伊藤 勝規、以下、エクセイド)、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学未来社会創造機構(機構長:佐宗 章弘、以下、名古屋大学)は、国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業」※1において、オンデマンド型自動運転サービスの自動運転遠隔監視実証(以下、本実証実験)を共同で実施します。なお、オンデマンド型自動運転移動サービスの実証地域と異なる都道府県から遠隔監視することは国内初※2です。

  1. https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000485.html
  2. 2024年11月末時点、あいおいニッセイ同和損保調べ
  3. 1.背景・目的

     自動運転技術は、交通事故の削減や高齢者等の移動支援、ドライバー不足といった様々な社会・地域課題の解決策として期待されており、政府は2025年度を目途に50カ所程度、2027年度を目途に100カ所以上の地域で無人自動運転移動サービスの実現を目指しています。
     こうした中、名古屋大学は、2023年2月より、愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウン※3において、国内初の事例として地域住民のNPOが運営する自家用有償旅客運送によるオンデマンド型自動運転(Lv.2) ※4サービスの運営を支援するなど、自動運転(Lv.4)の本格実装に向けた取り組みを進めてきました。
     一方、オンデマンド型自動運転(Lv.4)サービスの実装においては、遠隔監視システムの適応およびトラブル発生時に遠隔監視者が担う役割の整理や対応手順の確立が求められています。また、効率的なサービス運用の観点から複数地域を集約し、遠隔地にある監視拠点から監視するケースも想定されます。
    そこで、今般5者は、オンデマンド型自動運転(Lv.4)サービスの社会実装に向け、本実証実験を通じて得られる成果やノウハウを活用し、自動運転技術を用いた移動サービスのさらなる展開を通じて、日本各地の交通課題の解決に貢献していきます。


  4. 同地域において遠隔型自動運転システムとして、遠隔走行支援(遠隔アシスト)に関する国内初の実証も実施
    https://www.soliton.co.jp/news/2024/006246.html
    https://www.pref.aichi.jp/press-release/20241217.html
  5. 自動運転レベルは、人 (運転手) と車 (システム) が担う運転動作の比率、技術到達度、走行可能エリアの限定度合いなどに基づき0~5の6段階に分類されたものであり、Lv.2は部分運転自動化と呼ばれる第3段階
  6. 2.実証実験の概要

     5者は、広域・複数地域で走行する自動運転車両を、車両走行地域以外の拠点にて集約的に遠隔監視することを想定した、自動運転遠隔監視の実証実験を行います。

    実施日 ・2024年12月19日(木)
    自動運転Lv. ・自動運転Lv.2(運転席にドライバー乗車)
    実証内容 ・愛知県春日井市高蔵寺ニュータウンにおいて走行する自動運転車両を、あいおいニッセイ同和損保本社ビル(東京都渋谷区)に設置する自動運転遠隔監視システムを通じて遠隔監視を実施
    ・自動運転車両のトラブル発生を想定し、遠隔監視者と保険会社が連携した事故対応に関する実証を実施
    検証の主な内容 ・オンデマンド型自動運転サービスを想定した遠距離からの遠隔監視に関わるリスクの有無、内容
    ・遠隔監視者と保険会社が連携した事故対応スキームの在り方・役割の整理
    ・遠隔監視システムから連携される事故現場画像、音声データの事故対応における有用性や効果  等
      3.本実証における各者の役割等
      団体名 役割
      事故対応スキームの検討・設計
      福井県永平寺町における国内初のレベル4自動運転移動サービス実装事業※5(リスク分析面から支援)等、これまでの自動運転実装事業への参画やテレマティクス損害サービス等を通じて培ったノウハウを基に、多様な遠隔監視方式に応じた事故対応スキームを検討・設計
    • 経済産業省および国土交通省による「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(RoAD to the L4)」の幹事機関である国立研究開発法人産業技術総合研究所からの受託事業
    • 事故対応における保険会社のオペレーション検討
       事故発生時における初動対応(消防・警察通報、現場措置業務実施者・ロードサービス手配、保険会社への連絡など)の検討・設計
      自動運転遠隔監視システムの提供、複数監視形態でのシステム最適化
      福井県永平寺町における国内初のレベル4自動運転移動サービスに必須となる遠隔監視装置の導入をはじめ、全国各地での同遠隔監視システムの豊富な導入実績から培った技術力及び運用ノウハウを基に、主に複数地点での監視運用に対応する遠隔監視方式の設計、検証
      自動運転システムの提供、他システムとの連携・調整
      自動運転システム「ADENU(Autonomous Drive Enabler by Nagoya University)」の提供、遠隔監視システムと連携した自動運転制御の実現
      本実証実験の全体運営・統括
      高蔵寺ニュータウンにおける自動運転サービスの関係者(春日井市やNPO)との調整、モビリティサービスの観点からの実証実験の企画

    4.今後の展開

     5者は、これまでの実証実験で蓄積したノウハウならびに本実証実験を通じて得られる知見を活用し、 自動運転Lv.4の社会実装に資する技術および保険商品・サービスの開発に取り組んでいきます。また、各者の強みを活かしながら、自動運転技術を活用した新たなモビリティサービスの普及・促進に向けて継続的に取り組むことで、「安全・安心で快適なモビリティ社会の実現」に貢献していきます。

    【 遠隔監視システムに関するお問い合わせ先 】
    遠隔運転タスクフォース Tel: 03-5360-3881 remote-proj@list.soliton.co.jp
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