導入事例

株式会社アイシン(グループ品質本部 品質保証部)

デジタルブックのクラウド化を機に、Soliton OneGateによる多要素認証を導入
国内及びグローバル拠点において生産性を損なわないセキュリティ強化を実現

株式会社アイシン(グループ品質本部 品質保証部)
  • 調査解析の標準化を支援するクラウド型デジタルブックを採用
  • Soliton OneGateで、グローバルにまたがる全ての拠点の多要素認証を実現
  • 分かりやすいGUIで、管理者・利用者の運用負担を軽減

株式会社アイシン(グループ品質本部 品質保証部) 様 イメージ図

デジタルブックのクラウド化に伴い、多要素認証の実現手段が課題に

 株式会社アイシンは、半世紀にわたる高品質なモノづくり技術を基盤に、「電動化」「カーボンニュートラル」「知能化」を重点領域に進化を続ける総合自動車部品メーカー。同社は、持続可能な社会への貢献を目指し、幅広い事業を世界各国で展開している。

 グループ品質本部 品質保証部 部長の岡田 一希氏は、同部門の役割を次のように説明する。

「我々、グループ品質本部 品質保証部は、早期発見・早期解決を目指す『アイシンEDER(Early Detection Early Resolution)活動』を通じて、回収された製品の原因調査、不具合の再発・未然防止、そして得られた知見を新製品開発に反映するといった、製品とサービスの品質向上を担っています」

 今回のプロジェクトの経緯について、同部署 主査の久保田 修平氏は、次のように説明する。

「当部門では、各拠点で共通かつ高品質な調査解析を実現するため、市場不具合品の調査手法をマニュアル化し、デジタルブックとして提供しています。しかし、2021年4月のアイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュの経営統合により、グローバル拠点と製品群が拡大し、包括的な品質調査体制と海外拠点への調査支援強化を整える必要がありました。当時はデジタルブックを一部拠点に導入、その他拠点については座学・実地教育による調査支援強化を行っていました。そのような中、従来のデジタルブックがサービスを終了することが判明しました。今後もデジタルブックは、グローバル含め対象拠点や利用者を拡大する計画があるため、新たなツールへのリプレイスが不可欠となりました」

 これを機に、DX推進の背景から全社でクラウドシフトを進めていた事や、オンプレミス型のメンテナンス負荷を考慮し、同部はデジタルブックを従来のオンプレミス型からクラウド型に移行することを決定する。しかし、ここで新たな課題が浮上したと、第一解析室 調査技術グループの石川 栄一氏は語る。

「当社のセキュリティガイドラインにより、クラウド型ツールの利用には多要素認証の項目があり、選定した新ツールにはその機能がないため、多要素認証システムを、当部門独自でニーズに合わせた選定をする必要に迫られました」

利便性と信頼性の高さを評価し、Soliton OneGateを選定

 石川氏は、Soliton OneGate(以下、OneGate)を選定した経緯を、次のように語る。

「Web検索する中でOneGateを見つけて、資料を確認して問い合わせしたところ、ソリトンのインサイドセールス部隊からタイムリーにご連絡いただきました。その後、来社の上デモを実施していただいた結果、当社のニーズに合致していることが確認でき、本格的にQCDにて検討を開始しました」

 OneGateは、デジタル証明書を基盤とした多要素認証(MFA)を中心に据え、企業の重要な情報資産への不正アクセスを防御するID認証サービスであり、従来のID・パスワード認証に加えて、デジタル証明書認証、生体認証、デバイス認証などを組み合わせることで、多層的なセキュリティ体制を構築し、安全なアクセス環境を提供する。また、クラウドサービスやオンプレミスシステムなど、多様なシステムへのシングルサインオン(SSO)機能も備えており、ユーザーの利便性を損なうことなく、強固なセキュリティを実現できる。

 今回の多要素認証導入にあたって、デジタル証明書方式のOneGateを選択した理由について、久保田氏は次のように説明する。

「認証には様々な方式がありますが、セキュリティ上の理由からカメラの使用が制限されており、顔認証を含む生体認証は選択できませんでした。デジタル証明書認証は、ワンタイムパスワード等の他の方式と比較してアクセスが容易です。特に海外拠点への展開において、利用者に負担をかけないことは重要なポイントでした。またOneGateは、他のツールと比較して、ソリトンの企業としての信用度、費用面での納得感、そして豊富な導入実績という点で優れていました。中でもトヨタグループでの導入事例は当社の課題と類似した内容であり、安心感がありました。また、導入に向けて、国産メーカーであるソリトンの親切かつ丁寧なサポート体制も、高く評価しました」

きめ細かなサポートにより、グローバル各拠点への展開もスムーズに実行

 同部はOneGateの導入に向けて、ソリトンと協力して海外拠点における動作検証を実施した。石川氏は、その際の模様を以下のように明かす。

「アメリカとベルギー、インド、タイの各拠点は、特に問題なく動作検証を完了することができました。中国拠点のみ、共存するソフトウェアとの兼ね合いでデジタル証明書の自動インストールが動作しないことが分かりましたが、ソリトンのサポートに対応いただき、すぐに解決できました。中国拠点は手動で対応するなど、地域により導入フローの違いはあるものの大きなトラブルはなく、結果として順調に展開が進みました」

さらに石川氏は、ソリトンのサポートを次の点でも高く評価する。

「ソリトンは当社が新たに利用を開始したデジタルブックのメーカーとも、直接連携してくれました。技術的なやり取りもお任せでき、随時進捗を共有いただけたのは、とても助かりました」

現場からの不満もなく、利便性とセキュリティ強化の両立を実現

 こうして2025年3月末から、日本国内およびアメリカ、ベルギー、中国、インド、タイの各拠点でデジタルブックを閲覧する約180ユーザーを対象とした、OneGateによる 多要素認証の運用が開始された。

久保田氏は、導入後の海外拠点を含むユーザーからの反応を、次のように話す。

「多要素認証に関しては特に問い合わせや不満の声もなく、順調に利用開始されています。またユーザーはアクセス時に一度認証が済めば、そのままデジタルブックにスムーズにアクセスでき、利便性を損なわないセキュリティ対応が実現できています」

石川氏は、管理者としてのOneGateの使い勝手について、次のように評価する。

「OneGateの利用者管理画面は非常に分かりやすく、管理しやすいと感じています。ユーザー一覧をソートしたり並び替えたりすることが可能で、エクセルファイルへの入出力機能も備わっているため、アカウントの新規登録や削除といった作業にも、容易に対応できます。さらに、デジタル証明書の利用状況も一目で把握できるので、ユーザーへのフォローや問い合わせ対応もスムーズに行えます」

 久保田氏は今後の展開について、次のように語る。

「まずはデジタルブックの中身の充実化と共に、各拠点への浸透を優先します。その後、調査品質の向上ニーズのある他の工場や部門への展開も、検討していきたいと考えています」

セキュリティを強く意識しつつ、さらなる品質向上に向けた取り組みを推進

 最後に岡田氏は、本プロジェクトの成果の総括と共に、ソリトンへの期待を次のように結んだ。

「この度のOneGateの導入によって、多要素認証のグローバル拠点への展開がスムーズに実現できました。OneGateについては、展開および利用と管理のしやすさ、そしてソリトンのサポート体制も含めて、大変満足しています。特にサポートについては、様々なメーカーさんとやりとりをしましたが、ここまで親身に対応してくれるメーカーさんは珍しいと感じました。当社は今後もグローバルでの品質向上に努めていく上で、セキュリティ対策は不可欠です。ソリトンにはこれからも、サポートおよびセキュリティに関するさまざまな相談への対応を、引き続きお願いしたいと思います」

  • QCD : Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字を 並べたもの。

お忙しい中、有り難うございました。

※本ページの内容は、2025年6月作成時の情報に基づいています。

関連リンク

株式会社アイシン

https://www.aisin.com/jp/

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