株式会社ソリトンシステムズ(代表取締役社長:鎌田信夫、以下ソリトン)は、日本航空株式会社(以下JAL)及び中部スカイサポート株式会社(以下CSS)の協力の下、中部国際空港の制限区域内においてトーイングトラクター(※1)に対する遠隔運転の実証実験を本年5月23日から実施します。

 使用するトーイングトラクターは、JALが現在運用中の車両をベースに、今般ソリトンが開発した遠隔運転操縦システム(以下遠隔システム)を搭載したものです。名古屋市内に設置したソリトンの遠隔センターから、中部国際空港内での運転資格を有するCSSの社員が、遠隔でこの車両の運転操作に当たります。

 車両と遠隔センター間の回線には、通信会社が異なる3回線の商用LTE/4G回線を用い、映像通信の高安定と超短遅延を可能とする映像伝送装置Smart-telecaster? Zaoシリーズ(※2)を使用します。

 貨物牽引車の空港内運用における生産性向上を目指す取り組みとして、これまで、主に自律型の自動運転車両に関する実証実験が各地の空港で実施されているところです。

 今回の実証実験では、障害物検知警告等の機能を具備した遠隔システムにより、空港外の運転者が空港内の当該車両の走行状態、周辺状況を認知・判断して遠隔から運転操作を実施します。

 本システムは、ソリトンがこれまで公道等での実証実験を通じて培ってきた遠隔運転並びに遠隔型自動運転の技術(※3)を、空港内制限区域のような特殊な環境での特別な用途を目的とするトーイングトラクターに向けて応用開発したものです。

 ソリトン並びに協力会社は、実証実験を通して遠隔による運転操作の実効性及び走行安全性の評価、確認を行い、トーイングトラクターの空港内運用における生産性の向上に資する役割を検証、確認します。

 また、その成果に基づき、今後は自動運転機能との相互補完を含む遠隔システムの一層の最適化とその実運用に向けて、技術、運用の両面から引き続き取り組んでまいります。

図1:システム概要図

図2:遠隔運転トーイングトラクター
図3:遠隔センター(遠隔運転操縦装置)